2013年01月05日

「で、何が言いたいの?」と上司に怒られたったwwwww:応用が利くビジネス文章力の鍛え方(栖原雅)


writer's block - crushed and crumpled paper on notepad / photosteve101


上司:「ところで lhflux 君、今度、クラウドコンピュータの利用について役員を交えて会議をやるから、来月末までに企画書を書いてきてくれないか。」

lhflux:「あ、はい。クラウドコンピュータの利用についての企画書ですね。わかりました。作成して、来月末にメールで送ります。」

上司:「よろしく頼むよ。」

そう上司に言われた新人の lhflux 君、初めて企画書を作成することになる。よし、はりきってやるぞ!と奮い立つも、ここでふと思う。

「クラウドコンピュータの利用ってなんだかアイマイだなぁ。でも役員も来るんだし、がんばって作成するか...。とはいえ、みんなはクラウドコンピュータがナンなのか知っているのだろうか?うーん、そこからして怪しいなぁ。まずはこのクラウドコンピュータについて詳しく紹介しておこう。そして次は、それをどう利用するか。アイデアを3つくらい考えないと...。」

そんなこんなで、いよいよ締め切り前日の夜。何度か徹夜して、企画書をほぼ書き上げた。

「ふー。なんとかここまで書いたぞ。全部で200ページ弱か。フフフ。初めてにしては、我ながら、なかなかの上出来。これが役員の目に止まり、オイラの評価もストップ高となり、若手のエースなんて言われたら困っちゃうなぁ。グフフ。あ、そうだ。もうひとつ、良いアイデアが浮かんだ。朝までまだ時間がある。よし、これも企画書に入れておこう...」

栄養ドリンクも手伝って、締め切り日までに、なんとか企画書を完成させることができた。早速、上司宛に次のようなメールを書いた。

---------------
件名:企画書

上司様

先日、承りました企画書を作成しましたので、メールに添付して送ります。

lhflux
-----------------

「これでよし。送信ボタンをポチッとな。ふー。終わった終わった。この2ヶ月間、企画書を作成することに全神経を注いだから大変だったなぁ。まあ、これだけガンバッたんだから上司も満足してくれるだろう。なんたって10回も徹夜したんだから。ふー、なんか急に疲れがでてきたなぁ。今夜はゆっくり休むとするか。」

と思うも、すぐに上司から呼び出しがかかる。「あ、もしかして、今回の企画書について褒められちゃう?」そう妄想しながら上司の部屋のドアを開け、中に入る。

lhflux 「失礼しまーす」

上司 「おう、lhflux 君か。企画書の作成、お疲れ。で、これは何の企画書?」

lhflux 「えっ!? ....。先月に上司に頼まれたヤツですが。例の、クラウドコンピュータについてですけど。」

上司「ん?あぁ、アレかぁ。そういえば頼んでいたなぁ。で、この企画書で何が言いたいの?」

lhflux 「えェっ!!!!!!!!」

予想外の展開に言葉を失う lhflux 君。なんとか冷静さを取り戻し、企画書を読んだんですか?と詰め寄るも全く相手にしてもらえない lhflux 君。あんなにがんばって書いたのに、何度も徹夜をして書いたのに、しかも上司に頼まれて書いたのに、これはいったい何かの罰なんだろうか...。そんなこんなで身も心もズタボロになってしまった lhflux 君に対して、本書は次のように現実を突きつける。

残酷なようですが、読み手にとっては、あなたの「疲労度」や「費やした時間」は、まったくどうでもいいことなのです。それどころか、丸々一ヶ月かけて書いた文章や、何日も徹夜をして書いた文章を、たった3秒だけ見てあとは放って置かれることもあります。不条理な状況ですが、しかし「書き手の努力」に応じて注意力を強めていくれる読み手などいないのです。読み手は「自分にとって興味のあること・必要なこと」だけを真剣に読んでくれます。それ以外は、どんなに書き手が苦労していようとも、きちんと丁寧には読んでもらえない可能性が高いのです。

こんな経験をしたことがある人、もしくは、lhflux君のようにはなりたくない人はどうしたらよいのだろうか。以下に、本書をもとにして簡単に紹介してみよう。なお、本書は著者の栖原雅様より献本いただきました。どうもありがとうございます。

本書は、ビジネス文章の書き方について、初心者向けに書かれた文章作成の指南書である。ビジネス文章というと幅が広いけれども、ここでは主に企画書とメールに焦点を絞って紹介されている。企画書もメールも、どちらも最も大切なことは、分かりやすい文章を書くことだ。上の例では、lhflux 君が200ページもの企画書を書いたけれども、分量が多いことと分かりやすい文章とは、全く別である。以下に、分かりやすい文章と、文章作成のコツについて書いてみよう。

分かりやすい文章



本書によれば、メッセージの伝達率が高く(わかりやすく正確で)、伝達スピードが速い(最短時間・最小労力で読解可能な)文章が、最適なビジネス文章だ、と書かれている。では、どういう文章が「わかりやすく」、「簡単に読解可能」なのだろうか。それはすべて「読み手」しだいであり、残念ながら誰にでも分かりやすい文章というのは存在しないと著者は説く。例えば、クラウドコンピュータを説明しようとするとき、次の2つの文章を比べてみよう。

1. クラウドコンピュータとは、インターネットやインフラネットを利用したコンピュータ相互情報交換システムの一般的な総称であり、ネットワークを通してどこからでもアクセスでき、現在のIT企業において主要な利用形態として知られているものの、その明確な定義があるわけではない。

2. どこにいてもメールがよめるのは、クラウドコンピュータのおかげです。

クラウドコンピュータを全然知らない人なら、2の方が圧倒的に分かりやすいと思うかもしれない。しかし、よく知っている人なら、2の説明では逆に物足りなく、むしろ分かりにくいと感じてしまう場合もある。このように、分かりやすい文章とは「読み手」によって変わってしまう。そして「読み手」に内容が伝わらなければ、文章に価値はない。著者は次のように忠告する。

文章は、読み手に理解されて初めて価値が出るもので、もし理解されなければ単なる文字の羅列になってしまいます。

突き詰めれば、文章とはコミュニケーションの手段である。先ほど述べたとおり、分かりやすい文章を書くには、相手にあわせて言葉の表現方法を変える必要がある。このことが、「分かりやすい文章」とは何かを説明することを難しくしている。とはいえ、本書には、以下のように「分かりやすい文章」の目安というのを紹介していたので、文章作成の際には参考にしたい。

「文章を読みたくないとき」に読んでもわかりやすい文章であれば、まず間違いなくわかりやすい文章です。

文章作成のコツ



冒頭の例にて、「で、何が言いたいの?」と上司に怒られる最大の原因は、本人の主張がアイマイなことから生じる。企画書の結論が伝わっていないのだ。場合によっては、本人さえも何がいいたいかわかっておらず、ひどいときには結論がない、なんてことになっていたりする。締め切りが迫ってくると、さらに焦ってしまい、「何かかかないと」という強迫観念におそわれ、とりあえず、書けることをどんどん書いていってしまう。その結果、随筆のような行き当たりばったりの構成になり、無駄に分量だけが増えてしまう。そんな文章を書かざるをえない部下にとっては苦行だし、そんな文章を読む上司もまた苦痛である。悲しいかな、だれもが不幸である。こうなってしまったのも、どれもこれも、ロジックの欠如が招いた悲劇といえよう。

そうならないためにも、著者は文章のちょっとしたコツを紹介している。ここでは2つほど取り上げてみよう。

文章作成に慣れている人ほど、いきなり全部の作業をやろうとはしません。必要な作業を順序よくこなしていきます。書くために必要になる材料を揃え、必要な思考を済ませ、書く環境を整えて、それからやっとキーボードを打ち始め、少しずつ文章表現をこしらえていくのです。

文章を作成するために、たくさんの資料を集めると、それらをすべて紹介したくなる気持ちがでてくる。さらに、資料の入手に苦労すればするほど、その資料を使いたい衝動にかられる。しかし、分かりやすい文章を書くには、不要な材料を捨てる覚悟が必要である。著者は次のように諭す。

文章とはおびただしい「取捨選択」の集積物です。何を残し、何を捨てるか、その積み重ね以外の何物でもありません。


私が思うに、文章とは、ひとつのコミュニケーションスキルである。文章作成スキルは本人の努力しだいでいくらでも上達すると、私は信じている。というのも、昔は私も文章を書くことが大嫌いであった。書くことが大変苦痛だった。そもそも文章の書き方なんて全く知らなかったし、誰かに教わった記憶もない。それが社会人となって、この文章作成スキルがものすごく大切なことに気がつき、多少は努力するようになった。未だに分かりやすい文章をなかなか書けないものの、少なくとも文章を書くことが苦痛ではなくなった。少しは自分の言いたいことが他人に伝わるようになってきた。ときどき、自分の主張が通るようになった。すると仕事が楽しくなってきた。自分の主張でいい結果が得られると、ほんのちょびっとだけれども世界を動かせたような錯覚を覚えた。文章作成スキルは習得するのに時間がかかるし、習得する機会も少ないものの、それを身につけておくとビジネスパーソンにとって間違いなく強力な武器になる。

文章作成スキルを習得するには何度も練習が必要だし、困難な道のりかもしれない。しかし、その努力はちゃんと報われる。あなたが誰かに「で、何がいいたいの?」と言われたなら、まずは本書を読んで文章作成スキルに興味をもってみるのもいいかもしれない。

応用が利くビジネス文章力の鍛え方
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はじめに
第1章 <論理編>理想のビジネス文章とは
第2章【読み手】主役=読み手/あなた=脇役
第3章【メッセージ/1】直感的な文章のしくみ
第4章【メッセージ/2】ワーキングメモリ
第5章【メッセージ/3】2種類の論理的な文章
第6章【メッセージ/4】命題ツリー
第7章【目的】すべては目的に通じる
第8章【ツール】ツールが変われば文も変わる
第9章<テクニック編>知識とスキルの違い
第10章【Plan】準備のテクニック(1)
第11章【Plan】準備のテクニック(2)
第12章【Do】執筆のテクニック(1)
第13章【Do】執筆のテクニック(2)
第14章【Check】校正のテクニック
さいごに


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posted by lhflux at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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