2011年10月02日

「英語の勉強法」という共同幻想:Rich Dad Poor Dad (Robert Kiyosaki)


Hard Studies / PhotoDu.de


何かについて「勉強しよう」と思ったら、そのために「学校へ行こう」と考える人は多い。しかし、何かを学ぼうとするとき、学校の教育方針が自分にとって必ずしもベストな選択になるとは限らない。

例えば「英語」を例に考えてみよう。

英語を学ぼうとしたとき、学校の教育方針では次のような問題が出される。

問「You are taxed when you earn.」を和訳しなさい。

そしてこれを和訳するために、文法による分析がはじまる。この文の文型はSVであり、 "tax" は名詞ではなく動詞として使われていて、意味は「税金をとる」となって、さらにそれが受け身になっているから、「税金をとられる」となり、その後に続く"when" は疑問形ではなく時間をあらわす副詞として使い、.......。そして和訳をかき、それが間違っていると先生に怒られる。

この方式の勉強法があっている人もいるだろう。または、こういう勉強法で英語が嫌いになった人もいるかもしれない。しかし、これとは違ったアプローチの勉強方法もある。

では今度は、次の英文を読んでみよう。このとき、所得税、住民税、消費税という言葉を想い描いて読んでみて欲しい。

You're taxed when you earn.
You're taxed when you spend.
You're taxed when you save.
You're taxed when you die.

はたしでどうだろうか。これらの文章は英文法がどれも一緒で、違う言葉といえば"earn", "spend", "save", "die" の単語だけである。正式な単語の意味は辞書を調べてもらうとして、これらの単語を噛み砕いていえば "お金を稼ぐ"、"お金を使う(消費する)"、"貯金する"、"死ぬ"となる。内容をよく理解するつもりで、もう一度、上の英文をゆっくりと声にだして読んでみよう。すると、なんとなく意味が理解できそうだ、と思えてこないだろうか。そういう人は、興味ある分野の原著本を読む勉強法がいいかもしれない。

もし、あなたが「お金」と「英語」の両方に興味あるなら、上の英文の意味をさらに掘り下げていくと、学校では教えてくれないことが見えてくる。もう一度、上の英文をじっくりと見てみよう。

You're taxed when you earn.

あえて和訳してしまうなら「税金を取られる、稼いだときに。」となる。たしかに、給与明細をよくみてみると、アルバイトでも会社員だとしても、給料をもらうと所得税と住民税が取られている。

You're taxed when you spend.

次の文は、「税金を取られる、お金を使ったときに。」となっている。私が子供のころはなかったけれども、今の日本では買い物をすると消費税が取られている。国家を運営するにはある程度の税収が必要なことが分かるし、こうやって税金を徴収するのもしょうがないのかもしれない。こういった所得税、住民税、消費税は国を運営するうえで必要だと学校で教わったような記憶が微妙にある。

You're taxed when you save.

今度は「税金を取られる、貯金したときに。」となっている。一生懸命に働いて稼いだお金に税金がとられるのは、まあしかたない。しかし、この英文がいうには、すでに税金がとられて残ったお金を貯金していると、それにさらに税金がかかることを意味している。そんなバカな、と思いたいところではあるものの、実際には、銀行にお金を預けていると利息がもらえるのだけれども、その利息に対して税金がかかっている。このあたりのことは、あまり学校では教えてくれない。さらに次の文をみてみよう。

You're taxed when you die.

「税金を取られる、死んだときに。」まさか、死んだときにまで税金が取られるなんて、そんなアホな話はないだろう。現に学校ではそんなことを教えてないんじゃない?そう思いたい。しかし現実では、相続税という名目の税金によってお金が奪われていく...。

もう一度、上の例文を読み返してみよう。

You're taxed when you earn.
You're taxed when you spend.
You're taxed when you save.
You're taxed when you die.

何をしても、まず一番はじめに税金という名のカツアゲが政府によって行われる。そんな悲しさがこの文章から伝わってくる。さらに、"When you xxx, you're taxed"とは書かずに "Your're taxed" がはじめにくる理由も伝わってくる。この言葉を放った人は、何をしてもまず課税されることを強調したかったのだろう。

学校教育は、私たちにお金を稼ぐ方法を教えてくれる。医者、看護士、弁護士、科学者、技術者といった専門職に必要なスキルは学校が教えてくれる。そして、そうやって稼いだお金で国家が成り立つことも教えてくれる。私が中学生のときは、累進課税がいかに社会にとってすばらしいシステムかを社会の先生が教えてくれた。しかし、学校では教えてくれないこともたくさんある。「お金を稼ぐ方法」は教えてくれても、「お金を殖やす方法」や「お金に困らない方法」は教えてくれない。そんな学校では教えてくれないことを知りたい人は続きをどうぞ。


本書は、日本でもベストセラーになった、金持ち父さんシリーズの原点である「金持ち父さん貧乏父さん」の原著である。内容としては、お金に関する必要知識を子供にでも分かるように説明した、経済的自由を手に入れるための啓蒙書である。日本語版では、導入部が会計士のシャロン・レクター氏による回想から始まっていた。一方、原著の方にはそういった回想はなく、日本語版よりもシンプルにまとめてある印象をもった。単語もそれほど難しくなく、根性とやる気さえあれば中学レベルの英語力でも十分理解できる内容である。本書を受け入れることができるかどうかは、英語力よりもむしろ精神面の方が重要であろう。一度、日本語版を読んでいれば、本書はなおさら読みやすい。以下に、原著をダイジェスト風に紹介してみる。

まず、金持ちと貧乏の差はどこにあるのか見てみよう。

The poor and the middle class work for money. The rich have money work for them. (p.22)

お金のない人やお金に困っている人は、お金を得るために働く。しかし、金持ちはお金に働かせる。この違いを理解するためには、資産(asset) と負債(liability)とは何かを考える必要がある。資産や負債なんていうと堅苦しく聞こえるかもしれないものの、その定義はいたってシンプルだ。次の文をみてみよう。

You must know the difference between an asset and a liability, and buy assets. (p.46)
An asset puts money in my pocket. A liability takes money out of my pocket. (p.48)

つまり、自分のポケットにお金をいれてくれるものを資産(asset)と呼び、逆に自分のポケットからお金を奪っていくものを負債(liability)と呼ぶ。そして、お金に働いてもらうためには、資産を買えばよい。ただそれだけである。しかし、この資産と負債の違いをきっちりと認識していないと、資産だと思っていたものが実は負債だったなんてことが起こりうる。それを金持ち父さんは次のように表現する。

The rich buy assets.
The poor only have expenses.
The middle class buy liabilities they think are assets.(p.72)


資産と負債の違いについてさらなる詳細を知りたい人は本書を読んでもらうとして、ここでは経済的自由を手に入れるためにまず始めにやるべきことを見てみよう。それには次のように書いてあった。

But if you have dreams of freedom -- of getting out of the Rat Race --- the first question to ask yourself is, "How do I respond to failure?" (p.136)

つまり「失敗とどう向き合うか」である。冒頭でも述べたように、学校教育では失敗を許さないよう教える。本書にはこう書かれていた。

In school we learn that mistakes are bad, and we are punished for making them. (p.112)

そして、本書には次のように、「失敗を恐れる人は金持ちになれない」とまで述べられている。

the main reason most people are not rich is because they are terrified of losing. Winners are not afraid of losing. But losers are. Failure is part of the process of success. People who avoid failure also avoid success.(p.112)

最後に、泥棒の最大の過ちが紹介されていたので、それを引用してみたい。

A friend of mine recently had her apartment burglarized. The thieves took her electronics and left all the books. And we all have that same choice. 90 percent of the population buys TV sets, and only about 10 percent buy business books. (p.152)


英語の勉強をしながらお金の知識まで増やしたいような向上心のある人に本書を是非、おすすめしたい。

Rich Dad Poor Dad: What the Rich Teach Their Kids About Money - That the Poor and Middle Class Do Not!
Robert T. Kiyosaki
Plata Publishing
売り上げランキング: 16569


日本語版はこちら。


------ lhfluxの評価 ------
総得点 (15点満点) : 15 点
内訳
文章 (1-5) : 5 点, 内容 (1-5) : 5 点, 感動 (1-5) : 5 点
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Contents
Introduction
Lesson 1: The Rich Don't Work for Money
Lesson 2: Why Teach Finacial Literacy?
Lesson 3: Mind Your Own Business
Lesson 4: Mind Your Own Business
Lesson 5: The Rich Invent Money
Lesson 6: Work on Learn --- Dont't Work for Money
Lesson 7: Overcoming Obstacles
Lesson 8: Getting Started
Lesson 9: Still Want More?
Final Thoughts



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