2011年08月06日

金持ち父さんの21世紀のビジネス (ロバート・キヨサキ)

「あなた、もしかしてお金に困ってる?いや、困っていなければいいんだけど。いやね、おおきなお世話かもしれないけど、あなたの服をみてると、お金がなくて、なんだか欲しいモノをガマンしてるんじゃないかって心配になっちゃって…。

いや、実はね、あなたは私の大切な友人だから、こっそり教えてあげるけど、誰にでも簡単にお金を儲けることができる話があるのよ。いや、ホントに簡単なのよ。私がこの話を紹介した友人なんて、一ヶ月もしないうちに月10万円も稼げるようになったんだから。この前、久しぶりに会ったと思ったら、見違えるくらい綺麗になっちゃって。どうしたの?って聞いたら、どうやら稼いだお金で高級エステに通っているみたいなのよ。

いや友人っていってもね、その友人はエリートでもなんでもなく、ただの主婦なのよね。その友人がいうにはね、はじめはウソかなぁと怪しんだけど、ダマされたと思って実際にマニュアル通りにやってみると、あれよあれよという間に気がつけば月10万円も稼げるようになっていて、こんな素晴らしい話を教えてくれてホントにありがとう、やっぱ持つべきモノは友よね、なんて言うもんだから。よかったらあなたにもどうかと思ってね。あなたも私の大切な友達だし。

いや、ホントに簡単なのよ。だってしっかりとしたマニュアルがあるから、それに書いてあることをそのままやればいいのよ。はじめにこのマニュアルを買うのにちょっと投資が必要なんだけど、そんなの一ヶ月もしない間にもとをとっちゃうから。

ちょっと想像してみて。

毎月10万円も稼げるなんて夢のようじゃない?はじめにマニュアルを買うのにたった1万円払うだけで、その夢が現実のものとなるのよ。どう?ダマされたと思ってチョットだけやってみない?」

これは、いわゆる「ネズミ講」とか「マルチ商法」とか呼ばれる手法である。実際に1万円払ってマニュアルを購入すると、そこには「三人勧誘するごとに、報酬としてあなたに1万円支払います。頑張って勧誘しましょう」なんてあったりする。最近はあまり見かけなくなったものの、十年前は、ときどきこのネタで新聞がにぎわっていたこともあった。

これだけの話なら別にたいした内容ではないと思ってしまうかもしれない。しかし、この「ネズミ講」は見かけによらず、ものすごい威力がある。はじめに誰か一人をダマしてマニュアルを購入させたとする。そうすると、そのダマされた人は、元をとるために3人を勧誘する。すると今度は、その3人それぞれが、また新たに3人ずつ勧誘してきて、新規にダマされた人は全部で9人になる。さらにその9人それぞれが、また新たに3人ずつ勧誘してきたとすると、新規にダマされた人は全部で27人になる。するとその27人が…と続き、気がつけば、被害者が莫大な数になり、主犯者も莫大な利益をあげる。こうして人数が増えれば増えるほど、勧誘する友人もいなくなり、最後に勧誘された人が貧乏クジを引いて不利益を被る。一人ずつの被害額はそれほど大きくないものの、全体としてみると、数億円規模にまで膨らむこともある。最終的に貧乏くじを引いた人が不利益を被るため、「ネズミ講」は現在の日本では犯罪となる。

しかし、ここで視点を変えて、この「ネズミ講」という手法を良いことに使えないだろうかと、考えてみよう。誰かが貧乏くじを引くから問題であって、みんなが得をするようなシステムににすれば、なんら問題ないはずである。この「ネズミ講」は絶大な威力をもっていることがすでに分かっているのだから、それをビジネスに応用すれば、きっと有効な手法になるに違いない。世の中、悪い人もいれば、いい人もいる。ならば、「ネズミ講」を詐欺に使う人もいれば、いいことに使う人もいるはずだ!

そうかもしれない、と思った人は続きをどうぞ。


本書は、「金持ち父さんシリーズ」の著者で有名なロバート・キヨサキ氏によるお金の話である。まず第一部で、お金に対する基本的な考え方を紹介する。この基本的な考え方は、ロバート・キヨサキ氏の他の著書でも頻繁に紹介している内容とほぼ同じであって、要約すると、お金に対して自由になるには資産(富)の形成が大切だ、となる。富の形成の中でも、彼がBクワドラントと区分する区域に入り、自分がビジネスから離れても収入が得られるようにすること(不労所得)が経済的自由を手に入れる方法だと説く。

しかし、これまでの彼の著書と比べて本書の決定的に違うところが、21世紀において最も有望な富の形成の仕方を紹介している点である。彼の本を読んだことがある人はご存知の通り、ロバート・キヨサキ氏は主に不動産投資で経済的自由を手に入れた。しかし21世紀において、経済的自由を手に入れるための、不動産投資よりももっとハードルの低い有効なビジネスがあることを彼は強調する。そのビジネスが「ネットワークマーケティング」である。

「ネットワークマーケティング」なんていうとカッコ良く聞こえるかもしれないものの、その基本的な手法は冒頭で述べた「ネズミ講」や「マルチ商法」と同じである。違う点は、「ネズミ講」や「マルチ商法」は不利益を被る人がいて犯罪となることに対し、「ネットワークマーケティング」はみんなが利益を得られるようなシステムになっていて、犯罪とはならないことである。日本では、「ネットワークビジネス」と言ったり、「マルチレベルマーケティング」や「MLM」と呼んでいたりするようだ。本書には次のような説明がなされていた。

ネットワークマーケティング業界の売上総額が増え続けている理由の一つは、これが誰にとっても利益になる、本当の「ウィン・ウィン」方式だからだ。ネットワークマーケティング会社は、従来型のマーケティングでは実現も難しくコストもかかる、驚くほど高レベルの市場拡大と消費者認知を実現させている。そして、個々の販売代理人たちはかなりの額のキャッシュフローを生み出すチャンスを手にしている(p.74)。

こう言われると、なんだか夢のような話に聞こえてくる。そんなウマい話があるものかといいそうになってしまうものの、仕組みを知れば、なるほどとうなずける。一体どうやっているのだろうか。本書にはこうあった。その鍵は、口コミ−−人と人とのつながり−−の力を利用し、その会社の製品あるいはサービスを流通させるためのしっかりしたネットワークを構築することにある(p.75)。 つまり、この「ネットワークマーケティング」が詐欺まがいの話と違うところは、このビジネスの目的が「ネットワークを構築する」ことにある点になる。もっと具体的にいえば、詐欺では口コミを利用して勧誘した相手からお金を吸い上げることになるものの、この「ネットワークマーケティング」では口コミを利用して勧誘した相手にビジネススキルを伝承することになる。本書には、次のように書かれている。

ネットワークマーケティングに関してよくありがちな最大の誤解は、それが物を売るビジネスだと思われている点だ。物を売ることは単により多くの収入を稼ぎだすことにしかならない。問題は、売るのをやめたら収入も途絶えてしまうことだ(p.82)。 さらにこう続ける。ネットワークマーケティングで一番大事なのは、製品を売ることではなくネットワークを築くこと、つまり、ほかの人たちとそれを分かち合うために、同じ製品あるいはサービスを扱う販売代理人たちからなる組織を作ることだ。目的はあなた−−あるいは組織内のほかの誰でも−−が製品をたくさん売ることではなく、たくさんの人々が自分自身の最良の顧客となり、適度な数の顧客に物やサービスを売り、それと同じことをどのようにしてやったらいいか、さらに多くの人に教え、仲間にすることだ(p.83)。

つまり、ネットワークマーケティングでは、一人で一生懸命働いてたくさんの商品を売るといった個人プレーではなく、自分自身が最良の顧客となり、そういう人たちを集めていくチームプレーなのだそうだ。このチームプレーが可能となるのも、自分の売り上げだけでなく、最良の顧客となっている仲間を集め、その仲間をサポートすることでも報酬をもらえるシステムになっているためだからであろう。しかし、私も実際にやっているわけではないので、詳しいことは分からない。

では、実際にネットワークマーケティングビジネスをやってみようと思ったら、次にどうやってネットワークビジネス会社を選べばいいのだろうか。例えば以下のような2社を見つけたとする。

A社:「当社は最高のコミッションプランを用意しています−−大きな収入が得られます!」
B社:「当社は最高の品質の製品を提供しています。この製品によって人生が変わります!」

どちらの会社も大変魅力的に見える、かもしれない。しかし、ロバート・キヨサキ氏はこういう。

私がネットワークマーケティングを推薦する最大の理由は、実社会のビジネス教育と人間的成長のためにネットワークマーケティングが用意しているシステムだ(p.175)。

つまり、収入や製品の善し悪しではなく、その会社の教育システムが本当にいいものかを見極めろといっている。ネットワークマーケティングが「ネズミ講」や「マルチ商法」と紙一重な分、どのネットワークマーケティング会社を選ぶかが、今後の成功を決める最大の要因であろう。不労所得を得て経済的自由を手にいれたい人は、やはり本書が大変参考になると思う。私も本書を読んでネットワークビジネスに興味をもった。もし、このブログの読者の方で、何か情報や伝えたい事、アドバイス等あれば、是非、コメント欄へどうぞ。twitterでもOKです。

金持ち父さんの21世紀のビジネス
ロバート キヨサキ キム キヨサキ ジョン フレミング
筑摩書房
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------ lhfluxの評価 ------
総得点 (15点満点) : 13 点
内訳
文章 (1-5) : 4 点, 内容 (1-5) : 4 点, 感動 (1-5) : 5 点
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第1部 自分の未来を自分でコントロールしよう
 第一章 ルールが変わった
 第二章 逆境こそがチャンス
 第三章 四つの収入の道
 第四章 あなたにとって大切なもの
 第五章 起業家の考え方
 第六章 今こそ自分でコントロールしよう!
第2部 富の形成を助ける八つの資産
第七章 私のビジネス経験
 第八章 収入自体ではなく、収入を生み出す資産が大事
 第九章 資産その1 実社会でのビジネス教育
 第十章 資産その2 収入を伴った人間的成長の道
 第十一章 資産その3 夢と価値観を分かち合う友達の輪
 第十二章 資産その4 あなた自身のネットワークの力
 第十三章 資産その5 複製可能、拡張可能なビジネス
 第十四章 資産その6 高度なリーダーシップスキル
 第十五章 資産その7 真の富を形成するメカニズム
 第十六章 資産その8 大きな夢と、それを実現させる能力
第十七章 女性が得意なビジネス
第3部 あなたの未来は今始まる
 第十八章 賢く選ぶ
 第十九章 何が必要か?
 第二十章 望み通りの人生を生きる
 第二十一章 二十一世紀のビジネス


-- ネットワークマーケティングビジネス情報 --
・ネットワークビジネス会社には、化粧品や健康食品を扱っている会社が多かった。本書にも書いてあったのだが、ネットワークマーケティングは男性よりも女性の方が向いていそうである。
・こんな雑誌を見つけたので、購入してみた。若干、情報量に物足りなさを感じたものの、日本でもいろんなネットワークビジネス会社があるようだ。

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posted by lhflux at 12:50| Comment(1) | TrackBack(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。小川 真奈美と申します。
リンクを辿ってまいりました。
ネットワークビジネスについて真面目に考えて記事にしていただき とても嬉しいです。
ありがとうございます。
ネットワークビジネスは会社と所属するグループですべてが決まるといっても過言ではありません。
もし 前向きにお考えであれば 良いグループと巡り合えますこと お祈りいたします。
Posted by 小川 真奈美 at 2012年06月21日 23:23
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