2010年07月01日

モチベーション3.0 (ダニエル・ピンク 訳:大前 研一 )

レビュープラス様より献本していただきました。どうもありがとうございます。

さて、今回は初の試みとなるゲラ刷り段階での献本である。ゲラ刷りは、発売前の最終チェックを行うための原稿であろう。なので、ここでは誤字脱字のチェックもチョットしてみた。といいつつも、"はじめに"を読んだ段階で、本書に引き込まれて読書にハマってしまった。休日は子供と一緒に遊ぶことになっているはずなのだが、天気が悪いことを言い訳にして、息子にはプラレールで一人で遊んでもらうことにした。そして自分は再び読書に熱中する。周りのブーイングにもメゲずに読み進めると、いつの間にか最終ページに到達する。"アレ?もう終わり?続きは?"と一瞬、戸惑う。そして、ゲラ刷り段階なので一冊まるごろではなく、全体の70%程度しか原稿がなかったのことに気づく。愕然としつつも、続きがどうしてもすぐに読みたかったので、原書の"Drive(amazonへ)"を思わず買ってしまった。それくらい、本書は面白かった。

以下に、私が見つけた誤字と、本書の途中までの内容をまとめてみる。

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私が見つけた間違いは2箇所。

1箇所目が、147ページの2行目。 "握らなければ。自律的な" の部分の句読点は"、"であろう。
2箇所目は120ページの4〜5行目 "タイプIは昇給を辞退したり、給与小切手の現金化を拒んだりはしない。" の部分である。ここの内容が前後の文脈と合わない気がする。

次に本書の内容を簡単に紹介してみる。

本書のタイトルにある"モチベーション"。あえて日本語に訳せば"動機"や"ヤル気"といったところである。普段、仕事をしていると、"今日はヤルぞ!"という日もあれば、"今日はなんだかモチベーションがあがらないな〜"という日もあるだろう。もし、自分やチームのモチベーションをコントロールすることができれば仕事の成果もあがるはずである。

古今東西、このモチベーションのコントロールが難しい。従来からよくある方法は、"馬の目の前にニンジンをぶら下げる"という比喩にあるように、モノで釣る方法である。しかし本書は、このニンジンをぶら下げる方法の危険性を示し、それを越えたモチベーションについて考察する。さながら本書はモチベーションの心理学といったところである。そして、このモチベーションをパソコンのOSに例えて、従来のモノで釣る方法を<モチベーション2.0>、新しい方法を<モチベーション3.0>と名づける。

モチベーション2.0では報酬によってヤル気を起こさせる。この方法は、カンフル剤のように、一時的なやる気を引き起こしてはくれるものの、長続きはしない。そして、報酬目当てで行う仕事は、たいていツマラナイと感じる。報酬でモチベーションをあげる方法は、ルーチンワークのような単純作業にはそれなりの効果を発揮するものの、クリエイティブな仕事に対しては、むしろ効率を下げる効果となる。

一方でモチベーション3.0では、報酬のような外的要因を必ずしも必要としない。外部からの欲求よりも内部からの欲求をエネルギーの源とする。活動によって得られる外的な報酬よりも、むしろ活動そのものから生じる満足感と結びついている。(p.116) こういった内からくる欲求は人がもつ本質的な欲求と関係する。人には生来、(能力を発揮したいという)有能感、(自分でやりたいという)自律性、(人々と関連を持ちたいという)関係性という三つの心理的要求が備わっている。この要求が満たされているとき、わたしたちは動機づけられ、生産的になり、幸福感を感じる。(p.109) そしてこういったモチベーションは長期間にわたり維持され続ける。

モチベーション3.0に動機づけられて行動している人を思い浮かべれば、それがいったいどういうものだか想像つくかもしれない。極端にいえば、モチベーション3.0を趣味に適用した人はオタクとかマニアと呼ばれ、それを仕事に適用した人はプロフェッショナルと呼ばれ、組織に適用した企業はビジョナリー・カンパニーと呼ばれる。そして、こういった人たちの目はいつも輝いていて、なによりも楽しそうである。

本書では、あなたの中にもこういった<モチベーション3.0>は絶対にある、と述べられている。なぜなら、子供はみなこの<モチベーション3.0>に従って生きているからである。そして、自分の中の<モチベーション3.0>を見つけるためのツールキットまで紹介している。ただ残念なことに、ゲラ刷りではこのツールキットまでは収録されていなかった。その結果、<モチベーション3.0>を私も自分にインストールしたいという衝動にかられ、思わず原書を購入してしまった。本の内容もさることながら、本書は続きを読みたくさせるようなモチベーションの刺激の仕方もうまい気がする。

<モチベーション3.0>は人生そのものである。誰もが知っているように、人生はたった一度しかない。"今"という時間は二度とは起こらない。そんな人生を少しでも楽しく過ごしたいのなら、自分の中に眠る<モチベーション3.0>を見つけだし、"今"というトキを味わってみるのはどうか。本書はそのガイド役を引き受けてくれるだろう。



はじめに ハリー・ハーロウとエドワード・デシの直面した謎
第1部 新しいオペレーティング・システム
 第1章 <モチベーション2.0>の盛衰
 第2章 アメとムチが(たいてい)うまくいかない7つの理由
 第2章の補章 アメとムチがうまくいく特殊な状況
 第3章 タイプIとタイプX
第2部 <モチベーション3.0>3つの要素
 第4章 自律性
 第5章 マスタリー(熟達)
 第6章 目的
第3部 タイプIのツールキット 


日本語訳の発売まで待てない人は、原書のペーパーバックをどうぞ。著者のダニエル・ピンク氏のウェブページもあります。


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posted by lhflux at 20:47| Comment(0) | TrackBack(1) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: タイトルの「モチベーション3.0」は、人々を動かす動機付け(モチベーション)の最新バージョンを表す。つまり、原始時代からの生存本能に基づくものが「1.0」、工業化社会以降現在まで続く「あれをやれば(や..
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Tracked: 2010-07-07 11:02
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