2009年12月05日

マネジメント-基本と原則 (P. F. ドラッカー)

総得点 (15点満点) : 10 点

内訳
文章 (1-5) : 3 点, 内容 (1-5) : 4 点, 感動 (1-5) : 3 点


週刊ダイヤモンド(2009年11月14日)特大号の付録で、"もし高校野球部の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら"という小説の一部(試読版)が掲載されていた. 最初のほんの数ページだけなのだが、これがなかなか面白く、この小説が発売される前に、この小説に登場するドラッカーのマネジメントを読んでおこうとおもって本書を購入した.

本書はマネジメントの原理に迫る濃い内容である. 濃すぎるあまり、難しいと感じた. もしかしたら私にはまだ本書が早すぎたのかもしれない. そんな本書から受けた印象を一言で表すと、"マネジメントの哲学"である. 哲学というくらいだから、油断するとうっかり居眠りしてしまう. そんなこんなで頭をコクコクさせながらも、細かいことは気にせずになんとか全部を読みきった.

ということで、詳細についてはよくワカラナイものの、大局的にとらえたとき、本書の要点は次の2つになると思う. それらは、"企業とは何か?"と"マネジメントとは何か?"である. 以下にその詳細について、私なりに理解した範囲で本書を引用しながら述べてみる.

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まず最初の要点である"企業とは何か?"について.

ドラッカー氏は、"企業は社会の中のあるひとつの組織"ととらえているようだ. そして、"企業は社会に属している限り、社会に対して何らかの責任があるはずである"、と考察しているようだ. この考え方を基にすると、"企業とは何か?"という質問にきちんと答えるには、

a. 企業が社会に果たす役割とは何か?
b. 企業は社会に対してどのような貢献ができるか?

という2つの問いに対するしっかりとした答えを持っていなければならない. そしてこれらの問いに対する答えがそのまま"企業理念"となる.

この考え方はなかなか興味深い. 私の場合、上の問いにでてくる"企業"を"私のブログ"とか"研究者"に置き換えてみると、自分の理念というものがしっかりと確立できそうである. 例えば"私のブログ"と置き換えてみる. その場合、私の書評ブログを訪れた人が、その人にとって最適と思える本に出会うきっかけに役立てれば、それは私にとってなによりもうれしい. はたして現状はどうかサダかではないものの、"自分に適した本を見つけること"に貢献できるよう目指すのが本ブログの役割だと今さらながらに感じた.

"企業とは何か?"について、ドラッカー氏の言葉を借りてもう少し考察してみる. 先程、企業は社会の組織である、と述べた. ドラッカー氏によれば、組織とは、ともに働く人たちの生産性を高めるための道具である(p.281).となる. つまり、企業といえど、それは単なる道具にすぎない. ではその道具をどのように使うべきか. ドラッカー氏は、組織の基礎となる原理は「個人の強みは社会のためになる」(p.276)と述べている. まとめると、企業というのは個人の強みをうまく生かして社会に貢献するための道具である、となるのだろう. では、個人の強みをうまく生かすにはどうすればよいか. そのために"マネジメント"という言葉がある.

そこで次に2つ目の要点である"マネジメントとは何か?"についてまとめてみる.

"マネジメント"をする人を"マネージャー"と呼ぶ. 日本でマネージャーと聞くと、私なんかは、学校にある部活動のマネージャーを思い浮かべる. その部活動にでてくるマネージャーは、水を配ったり、何かを記録するといったいわば雑用をする人という認識であった. そこから推察すると、マネージャーは部活動がスムーズに運営できるようにがんばる人ということになる. でもこの認識はまったくもって見当違いであった.

ではマネージャーやマネジメントの仕事とは何か. 本書によれば、"個人や企業に責任を与える仕事"となる. ただ、この"責任を与える"ということをきちんと理解することがなかなか難しい. 例えば、上司が部下に、"オイ、きみ、もっと責任をもって仕事しなさい!"というだけで部下に責任を与えることができれば誰も苦労しない. ではどうすればよいか. 残念ながらそのあたりはよく分からなかった. ただし、"個人の強みは社会のためになる"という上で述べた原理を思い出すと、マネジメントやマネージャーの仕事というのは、"個人や企業が自分の強みをしっかりと発揮して社会に貢献できるようにしてあげること"と言い換えてもよいかもしれない.

もうすこし、"責任"ということについて考えてみる. 人は誰でも、この人はすごい人だと思われたい、とか、誰かの役に立ちたい、といった気持ちを少なからず心のどこかにもっている. 例えば、自分が何かしたことに対して、素直に"ありがとう"といわれるだけでもうれしいし、少なくともイヤな気分はしない. さらに自分がちょっとがんばった仕事に対して、"君がいてくれて本当に助かったよ"とか"すごいなー"といった感謝や感嘆の言葉をもらうと、これまた少なくともイヤな気分にはならない. すなわち、たとえそれが微力であったとしても、人は少しでも社会に貢献したと感じることで責任を認識できる.

例えば、サッカーでサイドバックをやっていたとしよう. 試合では、オーバーラップして攻撃参加したあと、ディフェンスするために元のポジションに戻るのは精神的にもかなりつらい. そんなときマネージャーに、"先輩は攻撃したあと、いつもすぐに元のポジションに戻りますよね. すごい体力ですよね."といわれたら、口ではいやそんなことはない、とかいいつつも内心うれしいはずである. そして、そのマネージャーが試合をみているときは、オーバーラップした後、どんなにつらくてもがんばって元のポジションに戻るはずである. このマネージャーがどういう意図でコメントしたかの心情はさておき、少なくとも、マネージャーはこのサイドバックの先輩に責任を与えたことになる.

ただ、残念ながらこれ以上の詳しいことは読みとれなかった. それでもいくつか気になった言葉があったので、最後にそれをツラツラと引用しておく.

マネージャーの素質でもっとも大切なものは"真摯さ"(p.147).

イノベーションと既存事業の違いについて(p.272)
既存事業:いまいる場所から行こうとする場所へ仕事を組織する
イノベーション:行こうとする場所から今しなければならないことへと仕事を組織する


マーケティングの出発点(p.287)
マーケティングの出発点は「相手が何を望むか」「相手にとっての価値は何か」「目的は何か」「成果は何か」である。

付章の最後の2段落(p.300)
本稿は、何らかの結論を出すことを意図したものではない。問題を提起するためのものだった。基本とするテーマは一つである。すなわち、今日の社会、経済、コミュニティの中心は、技術でも、情報でも、生産性でもないということである。それは、成果をあげるための社会的機関としての組織である。この組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関がマネジメントである。
そして、もう一つ前提とすべきパラダイムがある。マネジメントが責任を負うものは、成果と仕事に関わることすべてである。


この最後の2段落を読んで、本書が少し理解できたような気がした. もっとマネジメントについて勉強してからまた本書を読んでみよう.




【ドラッカー関連本】
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら
柳井正わがドラッカー流経営論

【ドラッカー入門編】
ドラッカー本の中でも、比較的読み易い内容。
プロフェッショナルの条件
ネクスト・ソサエティ

【ドラッカー応用編】
マネジメント-基本と原則
イノベーターの条件 社会の絆をいかに創造するか
創造する経営者



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posted by lhflux at 07:37| Comment(0) | TrackBack(3) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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