2009年06月06日

英語を子どもに教えるな (市川 力)

総得点 (15点満点) : 13 点

内訳
文章 (1-5) : 4 点, 内容 (1-5) : 5 点, 感動 (1-5) : 4 点

先週の休日、家の本棚を漁っていたらこの本がでてきた. 私の嫌いな、"〜するな"といった否定形のタイトルで、ちょっと読むのをためらったのだが、妻が読んでみて面白かったといっていたので、私も読んでみた.

タイトルから受けた印象に反し、この本は論理が明確に書かれており、分かりやすくていい本だった.私のような、今後の子供の教育についていろいろと悩んでいる親には大変参考になると思う.タイトルで本の善し悪しを判断するのはよくないと反省した.

内容は、日本における教育論、特に子供の英語教育について、バイリンガルの子を例にあげながら書かれている. 日本人の親の中には、子供を小さいうちから英語に触れさせておけば簡単にバイリンガルになれ、さらに国際人として活躍できると期待している人もいるが、現実はそんな甘くはないということがこの本を読むとよくわかる.

また、日本人の多くは英語に強いコンプレックスをもっており、英語がしゃべれさえすれば日本人も国際社会で活躍できると信じている人も多い.しかし、国際社会で重要なことは、英語で日常会話を流暢にしゃべれるようになることではない. 著者は、私たちが英語を母国語とする国々の人々と決定的に不足しているのは、論理的に自分の考えを組み立て、説明する力だ。と言っている.つまり、英語で自分の意見を明確に相手に伝えることが、今後の国際社会では大切であると説く. このあたりは、なるほどと思う.

著者が、タイトルで"英語を子供に教えるな"という理由は、軽い気持ちで子供を英語と日本語の両方を使えるバイリンガルに育てようとすると、どちらの言語も中途半端になってしまう危険性を説いている.

バイリンガルはいわば言語のプロであり、バイリンガルになるには親も子供も相当の苦労と労力が必要である.以前、日経サイエンスで子供を本気でプロの音楽家に育てたいと思うなら、小さいうちからプロが使用する楽器を使わせ、親も子供も一丸となって取り組む必要がるといっていた(天才の育て方だったか?). バイリンガルもこれとよく似ていると思った.
この本で述べられている、教育論と子育てについて、もう少し詳しくまとめてみる.

教育論については、アメリカと日本とを比較することで、日本の教育哲学をまとめている.著者によれば、アメリカと日本の教育方針は以下のようになる.

・アメリカの能力主義:その子の持つ能力を選別し、1つの特定化した能力を伸ばす。
・日本の努力主義:努力次第でどんな能力でも獲得できる。

大ざっぱに言うと、アメリカは長所を伸ばす教育を目指すのに対し、日本は短所をなくす教育を目指す、ということだろう. これらの教育方針は、その人や民族の哲学と深く関係しており、どちらがよいかは一慨には言えない、と著者は言っていた. 日本で科学者といえば、白衣を着て実験室にこもっているという化学系のイメージが強いのも、この教育方針と深く関係しているのだろう. 私の場合は、長所を伸ばしつつ短所はなくすというハイブリッド型がいいと思った.

この本の最終章では、子育てについての10ヶ条が書かれているが、私が読んだところでは、以下の4つに要約できそうだ.

・しつけは親が見本となる. 子供は親の言動をまねする. そのため、子供を注意する前にまず、親自信が自分の態度を改める必要がある.
・絵本の読み聞かせを頻繁に行う. このとき、できるだけゆっくり読み、子供とともに楽しみながら行う. もし子供が途中で絵本の内容から脱線したら、子供の興味を優先する.
・子供の質問には何度でもきちんと答え、わからないときは、一緒に調べる.
・子供をほめる. なんでもできたらすぐにほめる.

特にひとつめの項目は耳が痛い...うちの息子がきれいなお姉さん好きなのも、私の言動とは関係しているのかなー.


posted by lhflux at 09:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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