2011年01月29日

COURRiER Japon (クーリエ・ジャポン)2011年3月号

私には今3歳の息子が1人だけいる。世間様の言葉を使えば「一人っ子」である。ときどき、知り合いや親戚からこう聞かれる。

「息子さん、かわいいねぇ。で、二人目はいつ?」

この質問ならまだよい。しかしひどいのは、息子がおもちゃ売り場で「帰りたくな〜い」と駄々をこねているときの世間様のつぶやきである。地べたに寝転んで大泣きしている息子をみて一言。

「あらら...。まあ、一人っ子だしねェ...」

ど、ど、どういう意味?と、一瞬ためらう。そこで、この意味を私なりによく考えてみると、"一人っ子はわがままだから、駄々をこねているのもしょうがない"となった。でも本当にそうなのだろうか、と科学者の私は思わず疑ってしまう。そこで、まわりをよく観察してみる(「観察」というのは科学の基本である)。すると、同じような3歳くらいの子供で駄々をこねている子には、なにも一人っ子に限らず、兄弟がちゃんといるケースもよくみかけるのだ。そして、それは日本に限らず、サンフランシスコやハワイでも同じであった。はたして、「一人っ子が自分勝手」というのは本当なのだろうか。

まあ、たとえウソだろうとホントウだろうと、いずれにせよ息子は育つのだ。そんなことよりも、息子が将来大きくなって、自分の才能をフルに活かして社会生活を楽しんでもらえれば、それでいいではないか。自分勝手かどうかよりも、むしろそっちの方が息子にとってずっと大切であろう。そう思って息子を眺めると、またまた疑問が沸いてくる。

「うちの子にはどんな才能があるのだろうか?いや、ちょっと待て。そもそも才能って何?

私のそんな疑問に答えるべく(?)、今月号のクーリエ・ジャポンは特集を組んでいた。その表紙にはこうあった。

最新科学が迫る"成功の秘訣"
「才能がある人」はここが違う


以下に、私が興味をもった今月号の内容を簡単に紹介してみる。

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2011年01月22日

10年先を読む長期投資 (澤上 篤人)

総得点 (15点満点) : 11 点

内訳
文章 (1-5) : 4 点, 内容 (1-5) : 3 点, 感動 (1-5) : 4 点

ここ数日、関東では寒い日が続いている。

だからといって、「温暖化なんてウソだ!」と叫ぶ人を今年の冬はあまり見かけない。さらには、天気予報で"明日の天気は晴れ"と予報して、雪が降ったとしても、「明日の天気もアタらねぇのに、なんで温暖化が予測できるんだ!」と叫ぶ人が、去年と比べてかなり減った気がする。ちょっとくらい冬が寒かったとしても、うだるような暑い夏がまたやってくることを、一人一人がだんだんと感覚的に実感してきているのだろう。そして、5年10年と年月が経てば、あのトロけるような暑い日もだんだんと増えていくことをなんとなく予感し、不安になりはじめているのかもしれない。

人々が日々の生活で実感しているように、天気と温暖化とはいろんな面で大きく異なる。天気は日々の現象であるのに対し、温暖化は50〜100年先の話である。それらを支配するメカニズムも当然違う。非常に簡単にいえば、天気は大気の気まぐれで変化するのに対し、温暖化は地球の熱容量の変化で起きる。そもそも、両者は扱っている問題が違うのだ。

株式投資もこれと似ている。株式投資は、おおまかに短期投資家と長期投資家の二手に分かれる。

短期投資家は、デイトレーダーのように日々の株価を追い、上の例でいえば天気に相当する。日々の株価は、株式トレーダー達の思惑、政府の動向、トピック的なニュース、業界のウワサといった市場参加者達のいわば気まぐれで容易に変動する。その変動は大きくて値動きも激しく、天気予報がたまにはハズれるように、株価の値動きをいつでも正確に言い当て続けることは難しい。勝つ人がいれば負ける人もいて、ジェイコム株大量誤発注事件のように、一瞬のミスによって数億円の損失を計上した人もいれば、億万長者になった人もいる。シロートにとってはギャンブル性が強く、株式投資は危険だ、というイメージを植え付ける要因でもある。

一方、数10年先までを見据えるのが長期投資家で、まさに温暖化と同じ時間の長さで物事を考える。温暖化では人間活動が二酸化炭素を大気に排出することで気温があがる。長期投資では企業が利益をあげて企業価値を高めることで株価があがる。どちらも気温や株価が日々上下しながら、10〜20年のトレンドで傾向をみれば増加している、という感覚である。そして、日々の株価よりも、企業の活動に注目する。世界的な大富豪ウォーレン・バーフェットもこの投資スタイルである。

本書は、独特な長期投資スタイルで知られる「さわかみファンド」の設立者、澤上篤人氏による株式の長期投資入門書である。"自分のお金にも働いてもらう"というお金の哲学からはじまり、長期投資の基本的な考え方および実践的なアドバイスを紹介する。それを聞いてもやっぱり株式投資はコワイと思う人のために、著者が手がける投資信託を宣伝して、長期でみるとインフレが来ますよという言葉で締めくくる。そんな著者のいう株式の長期投資方針を簡単に以下に詳しくみてみよう。

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2011年01月19日

のぼうの城 上・下 (和田 竜)

総得点 (15点満点) : 11 点

内訳
文章 (1-5) : 3 点, 内容 (1-5) : 4 点, 感動 (1-5) : 4 点

「のび太 vs 仮面ライダー」勝つのはどっち?

のび太というのは、「ドラえもん」に登場する、あの「のび太」である。

なにをバカなことを…、そんなの言うまでもないだろう、と思うかもしれない。そう、あえて言うほどでもないのだが、勝つのは仮面ライダーである。それが1対1のタイマン勝負なら。

では、チーム戦ならどうか。

ドラえもん、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃん率いるチームのび太。これに対するのが、歴代の仮面ライダー達が総集合した夢の共演、チーム仮面ライダーズ。

一見すると、チーム仮面ライダーズの方が、数も多いし、圧倒的に有利にみえる。しかし、ドラえもんの映画ファンなら反論したくなるかもしれない。普段はいじめられっ子でリーダーシップのカケラもみせない"のび太"。だが、映画でみるように、いざとなったときのチームのび太は、固い結束力をみせ、思いもよらない力強さを発揮する。

そんなこと言ったって、アレはただの映画でしょ。

そう思った人は、2010年のサッカー日本代表、スター軍団と呼ばれるレアルマドリード、日本のプロ野球球団のジャイアンツを思い出してほしい。弱小と言われたサムライブルーの大健闘、勝って当たり前と言われるレアルマドリードのチャンピオンリーグ予選敗退、ジャイアンツの転落。

そしてなにより、歴史がそれを証明してる。その歴史とは、映画化も決まり、2011年秋に上映予定の本書「のぼうの城」である。以下にネタバレしながら紹介してみる。


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2011年01月15日

インシテミル (米澤 穂信)

総得点 (15点満点) : 11 点

内訳
文章 (1-5) : 4 点, 内容 (1-5) : 4 点, 感動 (1-5) : 3 点

インシテミル。

何かの暗号だろうか。

いんしてみる。

in seeing the meal.

inしてみる。

インして観る…

と、タイトルから謎な雰囲気をかもしだす本書。その雰囲気どおり、2010年度版「このミステリーがすごい!」の第1位を見事に獲得した小説なのだそうだ。ただし、本の帯をよくよくみてみると、「作家別得票」という文字が小さく書かれていた。大賞ではなく、第1位。しかも作家別なんて枕詞付きである。なんだかウサンくさいなぁ。そう思って本書の紹介文を読むと、これがまたウサンくさい。そこには、次のアルバイト募集記事が紹介されていた。

アルバイト募集
時給11万2千円。
年齢性別不問。一週間の短期バイト。ある人文科学的実験の被験者。一日あたりの拘束時間は二十四時間。人権に配慮した上で、二十四時間の観察を行う。期間は七日間。食事は三食提供。個室の用意あり。ただし、実験の純粋性を保つため外部からは隔離する。拘束時間は全て時給を払う。

時給11万2千円 x 24時間 x 7日間 = 18816000円

つまり、総額およそ2千万円のバイト代になる。こんなアルバイトに応募すると、果たしてどうなるのであろうか。気になる方は、文庫をどうぞ(amazonへ)。以下、ネタバレOKな方のみどうぞ。


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2011年01月12日

これからの「正義」の話をしよう (マイケル・サンデル)

総得点 (15点満点) : 13 点

内訳
文章 (1-5) : 5 点, 内容 (1-5) : 3 点, 感動 (1-5) : 5 点

「アフリカの恵まれない子供達に募金をお願いしま〜す!ご協力、お願いしま〜す!」

とある日の昼下がり。三歳の息子と駅に向かっていると、向こう側から声が聞こえてきた。女子中学生と思わしき数十人が一生懸命、声を張り上げて募金を呼びかけている。長いこと続けていたのであろう、その声も少しカレはじめている。寒い外でもコートを羽織り、息を白くしながらもガンバっている。

それをみて、自分の心の中から天使の叫びが聞こえてくる。

一生懸命な若い学生の前を平然と過ぎ去る大人に、自分はなりたくない。まだコトをよく理解できないであろう息子にも、困っている人を助ける自分の姿を日頃から見せてあげたい。そして、募金箱をもつ彼女達にも伝えたい。日本にも困っている人を見ると助けてくれる大人がいるんだよ、と。たとえ、ちょっと下心がありそうだとしても…。

「これでアフリカの子供たちも幸せになれるといいな」なんて思いながら財布に手を伸ばそうとした。そのとき、ふと、以前に読んだフォーリン・アフェアーズ・リポートのある衝撃的な記事を思い出す(書評記事にはかいてないが、この号にある )。その記事にはこうあった。

アフリカを先へと進めなくしている大きな要因は援助そのものだ。資金援助によって政治腐敗を助長し、その結果、アフリカは植民地支配から脱して長い時間が経っているのに、経済的に進歩するどころか、後退している。("なぜ援助では貧困を緩和できないのか"より)

多少文脈は違うが、意味としてはこのようなものである。つまり、この寄付金によって、アフリカを救うどころか、むしろますます窮地に追い込んでしまう可能性があるのだ。

さて、このときあなたならどうする??

1. 何もせず、そのまま通り過ぎる。
2. 募金をする。
3. 援助が貧困を助長することを女学生に伝える。
4. その他 (なにかあればコメント欄へどうぞ)


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posted by lhflux at 19:02| Comment(5) | TrackBack(0) | ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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